投資をこれから始める方で、購入する投資商品をネットで検索する方も多いと思います。
その中で、「オルカン」と言うワードに遭遇した方もいることでしょう。
「オルカンって何だ?」
私も初見では??でしたが、今ではこのオルカンに毎月つみたて投資を行っています。
オルカンとは三菱UFJ国際投信(株)が運用している投資商品「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称のことです。
今回は、つみたて投資大本命のこの商品について徹底解説していきたいと思います。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)とは?
最初に、この記事の結論からお伝えしますと、
上記の詳細を解説していきます。
世界の株式を丸ごと購入
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(※以後、『オルカン』と呼ぶ)は、
日本を含めた先進国及び新興国の株式市場の値動きに連動する投資信託です。
※「投資信託」については下記記事を参照ください。
簡単に言うと、「世界の株式を丸ごと購入する」そんな商品です。
なぜ、「株式」なのか?
そもそもなぜ「株式」に投資するのか?という疑問に関して解説したいのですが、下図を見ていただくと分かりやすいでしょう。
このグラフは、各資産クラス(株式、長期国債、短期国債、金、米ドル)の相関を表したものです。
1801年から200年の間、株式がずっと右肩上がりなのが分かります。
そしてなんと、1ドルが60万ドルの価値になっているのです!
そうです。これが資本主義(お金がお金を産む)の考え方なのです。
株式に長期投資するということは「世界経済は永続的に成長する」ということに賭けるということです。
分散が大事!
ただし、いくら株式が良いと言っても、特定の地域や国、あるいは一つの企業の株のみを保有するだけではリスクが高すぎます。
- 企業の経営難、倒産
- 戦争などによる国家存続の危機
- 重大な政治体制の変更
上記のようなリスクに晒されないように分散することが大事です。
その点、オルカンは全世界の国の株式に分散投資ができます。
どのような国で構成されいてるかは下記参照ください。
全体の88.9%を先進国が占めており、その中でもアメリカは61.4%の割合となっています。
オルカンは「時価総額加重平均型」の投資信託であり、時価総額(株価×発行済株式数)が大きい企業により多く投資することになります。
アメリカにはアップルやテスラなど、大型優良企業(=時価総額が大きい企業)がたくさんあるため、必然的にアメリカの比率は高くなります。
ひとつの国に集中投資するのではなく、全世界に分散投資することで、カントリーリスク(各国でのクーデターや重大な政治体制の変更など)についてもリスク分散ができるのがオルカンの最大のメリットになります。
組入銘柄は自動でリバランスされる
前述したとおり、オルカンの組入銘柄(組入企業)は時価総額が大きい企業を優先に採用します。
組入上位銘柄は下記を参照ください。
構成銘柄は時価総額ベースで定期的に見直されるため、投資家本人が銘柄を入れ替えたりする必要は一切ありません。
また、分配金についても商品内で再投資されるため、投資家が分配金受取り→再投資を行う必要がありません。
投資家は淡々とオルカンを購入、積み上げていけばよいのです。
組入通貨も世界分散される
オルカンは組入通貨も世界分散されています(円換算)。
組入上位通貨の構成は下記を参照ください。
上記によりオルカンは世界の為替の影響を受けます。(=「為替ヘッジなし」とも言います)
もし日本円だけを貯蓄していたら・・・
直近の例をあげると、2022年2月頃まで米ドル/円は110円台の水準だったのですが、
2022年10月現在では150円水準にまでドル高が進行しています。
オルカンもこのドル高の恩恵を得ることができており、全世界の株式市場の急落を相殺している状況です。(株高であれば万々歳だったのですが‥)
もし、あなたが投資をせず日本円のみを預金していたら、世界的に見てあなたの資産価値は目減りしたということになります。
ゾッとしますね‥
投資未経験者の方でしたら、これを機に少額からでも投資を始めることをオススメします。
運用手数料は最安クラス
オルカンの運用に必要な手数料は概ね下記の通り
- 購入時手数料・・・無料(ノーロード)
- 信託財産留保額※・・・無料
- 信託報酬(運用管理費用)・・・年率0.1144%(諸条件により変動)
- その他、監査費用、信託事務処理にかかる諸費用等
(※信託財産留保額とは投資信託を解約するときに投資家が払う費用のことです。)
信託報酬は超重要!
銀行の窓口で行員さんが奨めてくる投資信託の中には、信託報酬が年率2〜3%のものがざらにあるようです。
全世界株式の年利を4〜6%だと仮定すると、これがどれだけ資産運用の弊害になるか理解できるかと思います。
20年、30年・・と資産運用を行うと、この信託報酬はボディブローのように効いてきます。
インデックス投資(株式などの指数に連動した投資)は、「ほったらかし」で投資ができることがメリットですが、つみたて設定時にこのあたりの重要項目に目を向けないと長期にわたって損をすることになるので注意しましょう。
金融庁が発表しているインデックスファンド(株価指数に連動した投資商品)の信託報酬平均は年率0.55%で、オルカンの年率0.1144%は、十分低コストだと言えます。
つみたてNISAで購入可能で、初心者にオススメ
オルカンは「つみたてNISA」で購入可能です。
つみたてNISAは、下記のように初心者向けの非課税投資制度です。
- 少額(例えば100円)から運用可能
- 投資対象は投資信託(個別株は対象外)
- 年間40万円まで投資可能
- 20年間で得た利益は全て非課税で受け取れる
(※2024年以降、NISA制度が見直されます。詳しくはこちらから)
つみたてNISAを始たい場合は証券口座の開設が必要になりますので下記記事も参照ください。
現在のつみたてNISA制度については、金融庁の「つみたて早わかりガイドブック」を参照ください↓
投資が初めてで不安に感じる方も、この制度を利用して少額から始めるとよいでしょう。
まとめ
冒頭でもお伝えしたとおり、
上記が、オルカンの主な特徴になります。
より詳しい商品の説明(交付目論見書もあります)は下記を参照ください。
以上、簡単でしたが皆様の投資開始の一助になれば幸いです。