貯蓄をする上で、もっとも手っ取り早く効果があるのが支出を減らすことです。
ただし、節約することがストレスになるならば精神衛生上よくありません。
先ずは毎月支払いをしている固定費を削減することから始めてみましょう。
一度設定してしまえば、何も考えずに毎月支出を減らすことができます。
4つの固定費を削減しよう!
住居費(家賃)の見直し
(更新のタイミングで)家賃交渉をする
一般的に家賃は収入の3分の1までという指標があります。それ以上は分不相応のため、一度大家さんや管理会社に家賃の値下げ交渉をしてみましょう。
「○○年以上住んでいる」「周囲に安い物件が出ている」「築年数が経って老朽化してきた」などの有利な理由があれば、交渉の余地はあります。
住んでいるマンション・アパート等に空きがあれば、なお交渉に応じてくれる可能性が上がります。
安い賃貸へ引っ越す
引っ越しにかかる費用を考慮しても、長期で試算すれば固定費を削減できる場合もあります。
近隣の物件や同じような条件の物件でも、沿線が違ったり区をまたいだりするだけで家賃相場が大きく下がるといったことも珍しくありません。
↓賃貸サイトを使用して、今よりも安い価格帯に絞って物件検索をしてみましょう。
保険の見直し
生命・医療保険の見直し
保険プランの見直し、解約
先ずは何のために生命保険に入るのかを明確にましょう。
一番分かりやすいのは「収入を得ている人が亡くなってしまうと、収入源が途絶えてしまうので生命保険に入る」でしょう。
闇雲に家族全員、同じ保障の生命保険に入っても意味がありません。家族ひとりひとりがどれだけの保障が必要か?などを見直しましょう。
また、保障額が高くなればなるほど保険料も高くなるので、万一の時に保障額をどう使うか?を考えて適正値を導き出しましょう。
保険のタイプを考えることも大切です。保険期間や、どういった形で受け取るか、など保険のタイプによって異なりますので是非、ご家族で話し合いをしてみてはいかがでしょうか?
会社員と自営業者では加入する公的保険が違います。
大まかですが健康保険(会社員・公務員など)と国民健康保険(自営業者、専業主婦など)があります。
会社員・公務員が加入する健康保険は、病気やケガで長期入院が必要となった場合に「傷病手当金」という保障を受けることができます。一定の条件下で1日につき標準報酬日額の2/3が支給されます。
この保障が受けられることを理解した上で、民間の医療保険に入るべきかを検討しましょう。
ご自身の貯蓄がたくさんある場合は、医療保険には入らず貯蓄でカバーするという方法もあります。
ちなみに国民健康保険には、保障内容としてこの「傷病手当金」がないのでご注意ください。
保障内容の重複チェックをする
複数の保険に加入している場合は、保障内容が重複していないか見直しましょう。
例えば、生命保険は死亡保障以外に医療特約や傷害特約などがセットになっているものが多いです。
別の民間医療保険や健康保険、労災保険などと重複する場合は、二重払いになってしまうのでご確認の上、解約しましょう。
自動車保険の見直し
運転者限定・年齢限定条件を見直す
- 家族の中で車を運転する人数が限られている
- 一定の年齢の人しか車を運転しない
上記のような場合は、運転者の限定・年齢制限の条件をつければ、保険料を安くすることができます。
割引率は保険会社によって異なりますが、およその割引率(目安)は下記を参照ください。
運転者限定特約 | 割引率(目安) |
---|---|
特約なし | 0% |
家族限定 | 1% |
本人・配偶者限定 | 6〜7% |
本人限定 | 7〜8% |
年齢条件 | 割引率(目安) |
---|---|
全年齢補償 | 0% |
21歳以上補償 | 35〜60% |
26歳以上補償 | 60〜70% |
30歳以上補償 | 70〜75% |
35歳以上補償 | 75% |
条件に合わない人に運転させたら、当然、保険が適用されませんので注意してください。
保険適用外の家族に車を貸す場合、下記の1日自動車保険も検討してみましょう↓
車両保険をはずす
対人・対物ではなく、自分の不注意で車を傷つけた場合などは車両保険が役に立ちます。
ただし、車両保険をつけない方がよい場合もあります。
自動車の価値は、年数が経つにつれてどんどん目減りします。
高級車などは別として、古い車だと十分な保険金が受け取れないばかりか、車両保険を使うと等級が下がって保険料が上がり、コストアップになることもあります。
少しの修理であれば車両保険を使わずに自分で直したほうが得になることがあるので、所有している車の価値とてんびんにかけて、車両保険の解約も一度検討してみましょう。
学資保険の見直し
つみたて投資での運用に切り替える(解約を検討する)
学資保険には以下のデメリットがあります。
- 返戻率が低い(せいぜい元本の110%がいいところ)
- インフレに弱い(10〜20年後の物価上昇を考えると、返戻金が少ない)
- 満期までお金を引き出せない(途中解約すると元本割れするリスクがある)
上記を考えると、NISA制度を活用したつみたて投資を行ったほうが元本を増やせる可能性が高いです。
「保険」と「投資(資産運用)」を分けて考えた方が無駄のない資金管理ができるので、未だ保険加入初期であれば解約してつみたて投資を検討する余地は十分にあるでしょう。
学資保険などの貯蓄型保険の解約については、両学長のリベラルアーツ大学(YouTube)が参考になりますので、是非参照してください↓
通信費の見直し
格安SIMに乗り換える(スマホ代)
格安SIMへの乗り換えは解約違約金が無くなった今が絶好のタイミングです。
料金プランは使い方によって、毎月500円から利用できるプランも存在します。
乗り換え時は、無駄なサブスク(定額課金サービス)も解約することができ、一石二鳥です。
格安スマホへ乗り換えの際にはMOBA LIFEのサイトが参考になるので参照してください↓
Wi-Fi(フリー、ポケット)を利用する
ご自宅でインターネットを契約している場合は、どの程度利用しているか見直してみましょう。
- スマホのテザリング機能で済ませられないか
- モバイルWi-Fiでまかなえないか
- スマホとインターネットをセットで申し込み可能か(今以上の料金割引プランがないか)
ご自宅でほとんどネットを利用していない場合は、お持ちのスマホのテザリング機能でネット利用を済ませられるかもしれません。
モバイルWi-Fiは私生活や仕事上で移動することが多い場合にも重宝します。
自宅でネットを使う場合は、スマートフォンとインターネットをセットで申し込むことで、料金が割引されるプランもあります。
光熱費の見直し
電気代を見直す
電気会社を切り替える
2016年から電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。
安い電気料金の会社へ切り替えることができたり、企業によってはガスやスマホ代など複数のインフラを一本化できるお得な料金プランなども登場しています。
電気・ガス代をどれだけ安くできるかが分かるシミュレーションサイト(ENEGHANGE(株))がありますので、一度確認ご自身でどれだけ節約が可能か確認してみましょう。
省エネ家電に買い替える
長期間使用している家電製品がある場合、新しいもの(省エネ家電)へ買い替えも検討することをおすすめします。
最近の家電製品は省エネ効率が高いため、一定の節約効果があります。
家電製品によって節約効果は異なりますが、節約できる効果の目安は以下の通りです。
家電製品 | 省エネ効果 |
---|---|
冷蔵庫 | 現在の冷蔵庫は10年前のものと比べて約40〜47%の省エネ |
照明器具 | 電球型LEDランプは一般電球と比べて約86%の省エネ |
テレビ | 現在のテレビは9年前のものと比べて約42%の省エネ |
エアコン | 現在の省エネタイプのエアコンは10年前ものと比べて約17%の省エネ |
購入費用はかかりますが、長期目線では元が取れますので無理のない範囲で買い替えを検討してみましょう。
ガス代を見直す
ガス会社を切り替える
2017年から都市ガスの自由化が開始され、様々な企業がガスの小売事業に参加しています。
電気代と同様、企業によっては今より安い料金にできたり、電気とのセットで割引が受けることができるなどお得なプランがたくさんありますので、ガス会社の切り替えは固定費削減に非常におすすめです。
価格.comの「ガス自由化のプランをまとめて比較」サイトも是非参照の上、ご検討ください↓
プロパン→都市ガスへ変更する
- 近くにガス道管が通っている
- ガス道管を引き込む工事ができる
- (賃貸の場合)管理会社や大家さんからの許可が必要
上記のように条件は限られますが、プロパン→都市ガスへの変更も検討することができます。
一般的に、プロパンガスはボンベの配送・交換費用がかかることから都市ガスよりも料金が高めに設定されています。
地域差もありますが、プロパンガス料金は都市ガスに比べ1.8〜2倍ほど高い調査結果も出ています(※)。
初期費用はかかりますが、長期で試算してメリットがあるようでしたら検討してみてもよいでしょう。
※出典:経済産業省 2015年10月19日第24回ガスシステム改革小委員会資料
水道代を見直す
食器洗い乾燥機を購入する
食器洗い乾燥機は下記のメリットがあります。
- 電気でお湯を沸かすので電気代はかかるが、ガス代がかからない
- 食洗機内に溜めたお湯を循環させるため、手洗いに比べ節水できる
- 食器を洗う手間が省け、時短になる
手洗いの場合は多量のお湯(水)を流しながら食器を洗うため、食器洗い乾燥機を使用すれば水道代を節約することができます。
仮に電気代がかさんだとしても、手洗いの労力と時間を省くことができるのでメリットの方が大きいです。
注意点としては、乾燥機能を使うと電気代が多く掛かってしまうので、必要でない場合は乾燥機能はあまり使わない方が良いかもしれません。
最近はいろんなタイプの食洗機がありますのでネットなどで探してみてはいかがでしょうか?
↓楽天市場の人気商品です。参照ください。↓
オススメ食洗機【3人用】 |
オススメ食洗機 |
節水シャワーヘッドを利用する
節水シャワーヘッドは水道代節約はもちろんのこと、ガス代の節約にもつながります。
お風呂掃除などでは特に節約効率が向上します。
注意点としては通常のシャワーヘッドと比べて、混合栓やホースの接続部などに水圧が掛かってしまいます。接続部の故障や漏水につながる恐れがありますので既存設備との組み合わせに問題がないか確認しましょう。
まとめ
ここまで、様々な固定費の削減について紹介しました。
主な固定費 | 削減ポイント |
---|---|
住居費(家賃) | ・家賃の値下げ交渉 ・安い賃貸へ引っ越し |
保険 | ・保険プランの見直し(生命・医療保険) ・保障内容の重複チェック(生命・医療保険) ・運転者限定・年齢条件を見直す(自動車保険) ・車両保険をはずす(自動車保険) ・つみたて投資に切り替える(学資保険) |
通信費 | ・格安SIMに乗り換える(スマホ代) ・Wi-Fi(フリー、ポケット)を利用する |
光熱費 | ・電気会社を切り替える(電気代) ・省エネ家電に買い替える(電気代) ・ガス会社を切り替える(ガス代) ・プロパン→都市ガスへ切り替える(ガス代) ・食器洗い乾燥機を購入する(水道代) ・節水シャワーヘッドを利用する(水道代) |
上記、削減がしやすいものから取り組まれるとよいでしょう。
各固定費の支払いを切り替えるタイミングで、決済方法をクレジットカード払いにすることをオススメします。
ポイント還元のメリットや家計簿自動化などに役立ちます。
固定費が削減できると支出が減り、暮らしがより豊かになります。
また、手元に残るお金が増えるため、生活防衛資金を貯めることや資産運用(つみたて投資など)に回すことができます。
固定費削減により、皆さんの暮らしが少しでも良くなれば嬉しいです。